ローンは無理のない返済計画で


 住宅ローンがこれまでみてきたように、普及してきたことは大変喜ばしいことだが、問題は、資金計画に果して無理はないかどうかということである。
 確かに、住宅とか不動産は、年々高くなってきているので、預金の利息を当てにしているよりも、多少無理をしても、ローンを借りて、狭くてもよいからマイホームを買ってしまおうということになってくる。
 それ自体は間違ってはいないが、かといって自分の毎月の収入の額も考えずに、多額のローンを組んだ場合には、いざ家庭に病人が出たり、勤めていた会社が左まえになって、当てにしていたボーナスがでないということになったり、最悪の場合には、勤めていた会社が倒産ということにでもなれば、たちまち、返済は行き詰まってしまう。
 すでにこのような「ローン地獄」のためにサラ金に手を出し、取り返しのつかない事態になってしまった例もたくさん見られる。
 なかには、一家心中などという痛ましい例もある。これでは何のためのマイホームかわからなくなってしまう。
 早く、自分の住宅をもちたいという願いは誰しも持つことであるが、そのために大切な命や、家庭の崩壊を招いてしまっては本末転倒である。
 ということで、ローンは借りやすくなればなるほど、無理のない借金の計画が望まれるわけである。

家模型と通帳と電卓

こんな成功例を見習おう

 住宅の購人では、ローンの組み方が、その後の支払いで苦労するか、それとも無理なく返せるかの別れ道になることは、当然のことである。

【頭金の多いA氏】

 そこで、ここでは2つの例を示して、住宅購入の成功例を見てみることにしよう。
 まず、Aさんの例だが、5200万円の物件を都内近郊に求めている。
 自己資金が2100万円と割合に多いので、これだけの物件でも、月々の返済は、約7万4000円で済んでいる。ただ、ボーナスの返済が44万5000円というのは、不動産業という変動の激しい仕事だけに不安がなくもない。
 しかも、収入全体に占める負担率が約22.5%というのは、ローンの組み方としてはやや厳しいといえるであろう。
 ただ、公庫や年金融資をうまく活用しているのは良いであろう。38歳という年齢からすれば、これから収入がのびることも十分考えられるので、結果オーライといったところであろうか。

【理想的な返済率】

 それにくらべてBさんの住宅購入は、地域も郊外に求め、しかも、頭金を2360万円も用意するという非のうちどころのない購入の仕方である。
奥さんと共稼ぎをしている関係で収入も多く、そのため、月々の返済は少ないし、ボーナス時の負担も少なく、結果的に負担率も18.6%に留まっている。まさに理想的といえるであろう。”